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いいパパじゃなくて、笑ってるパパになろう

[NPO法人ファザーリング・ジャパン 長友 英哲さん]
660person.jpg自分の子供が産まれたその時に、
妻はお母さんになり、夫はお父さんになる。
生まれたばかりの我が子を
無心に「かわいい」と見つめながら、
長友英哲さんは「パパスイッチ」が入ったと感じたそうである。
子育てを通して、仕事と家庭のバランスのとり方や、
父親として子供とどう関わっていくか、
いろいろなことに気付き、
社会問題を自分事として考えるようになったという。


投稿日時:2010/04/09

 長友英哲さんは5歳の子供の父親として子育てを楽しみながら、NPO法人ファザーリング・ジャパンに参加している。ファザーリングとは「父親であることを楽しむ生き方」。ファザーリング・ジャパンは、よい父親ではなく「笑っている父親」が増えることで、家庭・地域・企業・社会を変えていこうという思いのもとで活動をしている。
 取材の日は守谷市民交流センターで「パパの読み聞かせ」イベントが行われた日。長友さんが中心となり、地元のパパたちと子供たち、ファザーリング・ジャパンからも仲間が参加、合唱とともににぎやかに読み聞かせが始まった。最初に読んだ絵本は『うんこ!』(笑)。次は『もっちゃうもっちゃうもっちゃう』と子供たちが大喜びする絵本が続く。カラオケ以外では声を出して歌う機会の少ない男性も、みなさん大きな声で歌ったり、飛び入りで朗読に参加された父親もいて、子供や父親同士の交流を楽しんでいた。



【ワークライフバランスを考える】
 「今ではこんな風に子育てを楽しんでいますが、子供が産まれたばかりは、そうはいきませんでした」。長男の誕生で、「よい父親」であろうとミルクをあげたりおむつを替えたり頑張っていた長友さんは、「今から思えば肩の力が入っていただけ、どんなに頑張ったってママには適わない(笑)」と当時を振り返る。育児に協力はしたいと思いながらも、平日は遅い帰宅で子供と遊ぶことも難しい。
 そんな時に「ワークライフバランス」のセミナーに参加、ファザーリング・ジャパン代表の安藤哲也さんと出会う。「ワークライフバランス」とは、仕事と家庭の調和を意味する。共働き家庭の増加や少子高齢化社会にあって、男性の育児休職者が増えており、介護で仕事を休まなければいけない管理職も出てくるであろうと予測される今の社会。ワークライフバランスは決して福利厚生のためではなく、国や企業の生き残りのための戦略として大切になると語る。
 「ファザーリングジャパン代表の安藤氏の受け売りですが、私が考えるワークライフバランスは、仕事と家庭が両天秤にあるやじろべえではなくて、よせ鍋だと思うんです。自分と言う鍋に、仕事を入れて、子育てや趣味を入れ、そのうち介護も入っていく。それで、段々おいしいダシが出てくる、そんな感じです」。
 そう思うようになってからは、良いパパではなく「笑っているパパ」でいようと、、肩の力が抜け、妻や子供との接し方が変わってきたという。



【パパの子育て・自分育て】
第13回 女と男ともに輝くとりでの集いでの講演の様子(取手市)  子育ては期間限定のプロジェクトと語る長友さん、日々変わっていく子供の成長を見ながら、今を見逃さないことの大切さを感じると言う。「昨日まで一緒に滑り台で遊んでいたのに、今日は『子供じゃないんだから下で見ていて』と言われたり(笑)」。今は、親世代が子供だった30年前とは違って、パパの育児の重要性が注目されるようになり、公園に行くと父親が子供と遊んでいる姿も多くなったという。
 子供と一緒に楽しんでいるのが「カヌー」。子供が生まれる前からの趣味で、3歳でカヌーデビューした息子と妻、家族そろってのアウトドアを楽しんでいる。子供の習い事から、長友さんも習い始めたのが「ピアノ」。「キッズヨガ」は子供と一緒に始めた趣味。自分の趣味を子供に教えたり、子供がきっかけで新しい趣味が増えたり、「育児」は「育自」、もう一度自分を育てることでもある。「ピアノは、子供と一緒に連弾で発表会に出たり、妻と三人で連弾を楽しんだりしています」と長友さん。
写真:第13回 女と男ともに輝くとりでの集いでの講演の様子(取手市)


【遅い帰宅でも出来る育児参加】
 そうはいっても毎日残業、子供は寝てから帰るのにどうしたら育児参加できるの?と思った方も多いのでは。長友流、子育て参加術は「ママサポート」。ママを笑顔にすることである。
 「自分も仕事で疲れているのは分かります。同じようにママも家事・育児でくたくた。帰ってからママと会話するだけでもいいんです。その日一日にあったことを、じっくり聞いてあげるとか、記念日にはちょっとしたプレゼントをするとか、何も言わずに流しに残っている洗い物を片付けるとか、ママを支えてママの笑顔を増やすことも大切な育児なのではないでしょうか」。


【地域の中での子育て】

 守谷で育った長友さん。子供が産まれ、久しぶりに守谷沼、城址公園などを訪ねると、昔と変わらない風景があった。レジャー施設まで遠出をするよりも、地元で楽しめることはたくさんあって『地元は最高のトレジャーランド』だと感じる。きっと子供のほうがそれを知っているのかも知れない。
 地域の人たちとの関わりが薄れてきていると言われるが「子供が大きくなったら、携帯電話を持たせるよりも、地元にたくさんの知り合いを作ることの方が大切だと思う」と長友さんは語る。
 これから、自分自身が何を大切にしていきたいかを伺うと「家族の幸せかな。先程も言いましたが、自分という鍋に何を入れたら美味しいダシが出るのか考えて、みんなが美味しいと言って食べにくる寄せ鍋になりたいですね」と長友さん。



長友 英哲さん ■プロフィール
長友 英哲  Hidenori Nagatomo
1977年生まれ
「いいパパ」ではなくて「笑ってるパパ」が社会を変える、そんな思いでパパを楽しんでいる。取手市で「パパの笑顔で家族を変える」講演、守谷市では市民交流プラザで「パパの読み聞かせ」などの活動を行っている。
NPO法人ファザーリング・ジャパンでは「教えて!ファザーリング パパ育児Q&A」、「パパスイッチ」などの事業を担当。ブログではパパが楽しむ子育てについて情報発信をしている。

http://www.bobsspace.net/

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