マゼンダハートサポート 浅野あらたさん、山上文乃さん

素敵な「マゼンダタイム」を過ごせる場所を

産後ママが体調を回復するまでの産褥期を安心して健やかに過ごせるようサポートしたい。
そんな思いで「マゼンダハートサポート」を立ち上げた山上文乃さんと浅野あらたさん。
四年前に出会い、同じ夢を持っていることを知り、意気投合した二人。
幼い子どもの育児に追われつつも、産褥院開院に向かって準備を開始した。
日本ではあまりなじみのない「産褥院」とは?
二人の思いを伺った。

産褥期はとても大事みんなが理解してあげて

日本では昔から「床上げ」という習慣があり、産後1カ月くらいはいつでも横になれるよう布団を敷いたままにして身体をいたわっていた。しかし最近は働く女性が増えたこと、晩婚化に伴い親も高齢のために頼れないことなど、さまざまな理由から産後、ゆっくり休めない女性が増えているという。しかし「この時期は母親のスタート地点としてとても重要」と浅野さんは強調する。
母体は産前、産後で大きく変化する。妊娠・出産で骨盤は"破壊"し、産後の産褥期で"再構築"されるという。産後3~4週間で骨盤や腹筋が徐々に戻りはじめ、妊娠前の状態に戻るまでには6~8週間かかるそうだ。この期間は体を休め、体調の回復に努めることが大事であり、この間に無理をすると後に体に変調をきたすことが万人に理解されていないと浅野さんは語る。「周囲の人はサボっていると思わずに労わってあげてほしい。二人目、三人目の場合も、上の子にはお母さんは元気になるために休んでいることを分かってもらって、少しの間我慢してもらって」と、家族の理解を求めるとともに「ママも動いてはいけない時期であることを意識して、家事や育児を気にせずになるべく休んでいて」と産褥期の過ごし方を説く。産後ケアが必要な期間は人それぞれだが、一年くらいは産後という意識をもって自分の体をケアすることが大事だそうだ。
また産褥期は体の回復だけでなく、心のケアも大切にしたい時期。とくに初めてのお産のときは不安も大きく、慣れない育児や自分の体調の変化に戸惑うことも多い。産褥期をいかに心穏やかに過ごせたかが二人目、三人目につながるという。「旦那さんはとくにこの時期は奥さんに優しくしてあげてください。この時期に優しくされたことは一生心に残り、その後の夫婦生活も円満になりますよ」。

自らの出産体験を生かして産後ママのサポートを

幼児から小学生まで、それぞれ4人の子供がいる二人。浅野さんは水中出産を3度経験し、へその緒はすべて旦那さんが切った。山上さんは助産師が間に合わず、四人目を旦那さんが自宅で取り上げたという。「できればお産は旦那さんと一緒に乗り越えて。親としてのスタート地点に一緒に立つことで、父親としての自覚をもち、命に対する意識、子供に対する向き合い方が変わってきます」と、自らの経験をもとに父親の役割の重要性を語る。
妊娠、出産、産褥期、子育て、そこで感じたさまざまなことを多くの人に伝えたい。そんな思いが今につながっている。浅野さんは産後、助産師さんに言われるままにさらしを巻いていたところO脚が治ったことに衝撃を受け、妊婦の体の変化について学び、ベビーヨガのインストラクターの資格もとった。山上さんは、お腹の赤ちゃんとのコミュニケーションを大切にして欲しいと考え、自分の経験と対話士養成講座で学んだことを、妊婦さんに伝える活動をしたいと考えている。
子育てが一段落したら…のつもりだった二人だったが、産褥期にゆっくり休めない産婦さんがたくさんいる現実を知り、すぐに行動を起こして「マゼンダハートサポート」を立ち上げたのがちょうど一年前だった。
名前の「マゼンダ」が由来する濃いピンク色の持つ、母親の温もりのイメージをベースにして、「ハート」が象徴する命・心、「サポート」を具象化した柱を重ね合わせ、産後ママの心の支えになればとの思いをこめた。産褥期という呼び方も、明るいイメージの「マゼンダタイム」と名付けたいと考えている。

産みたい、育てたいという社会環境作りに貢献を

2021年に開院を目指している産褥院とは、母親と赤ちゃんが一緒に過ごせる宿泊型ケア施設で、産後ママがリラックスしながら体力を回復しつつ育児にも慣れるようサポートする。日本ではまだまだ数が少なく、病院から退院するとすぐに自宅に戻って、戸惑いながら赤ちゃんとの生活を始めることがほとんどだ。
「マゼンダハートサポート」が目指している産褥院は、産褥期をゆっくり過ごせる宿泊ケア棟、兄姉を預かる24時間託児付きの保育園、整体やアロマテラピーなどで体をケアする施術院、妊婦さんや産婦さんが集えるカフェ、家族が宿泊できる一般宿泊棟を備えて、産前から産後まで家族みんなが安心して過ごせる施設だ。
現在は月一回の「子育てカフェ」や親子で楽しむイベント「こどもアートフェスタ」(7月開催予定)などを通して、産褥期がいかに大事であるか啓発活動を行い、産褥院への理解を深め、活動を広く知ってもらえるよう協力を求めている。
「少子化と言われ子供を産む女性が減っている今、産む人を応援して大事にしてあげたい。産褥院を作ることで、産前、産後を幸せに過ごし、ママたちが平和で明るく子育てしたいと思える世の中になるよう、少しでも貢献できれば」、そう語る二人の夢は始まったばかり。ママ目線で本当に必要なサービスが受けられる施設は、これからママになる女性たちにとって大きな支えになるはず。「社会の宝」である子どもたちを産み育てる女性たちをサポートする活動を、私たちみんなが応援していきたい。

プロフィール

マゼンダハートサポート
代表 山上文乃さん(右)、事務局長 浅野あらたさん(左)

2014年3月31日設立。2021年にマゼンダケア産褥院開院を目標に、国、県、市などに産褥ケアへの公的助成金の働きかけを行っている。またマゼンダタイム(産褥期)周知にむけ、幅広く啓発活動をしている。
・赤ちゃんや子供、その家族が楽しめるイベントの企画、開催
・月一回、マゼンダ親子サロン
・マゼンダグッズ企画・販売
2015年 産褥院開院に向けての情報発信ができる場として、常設のマゼンダカフェをオープン予定。

●お悩み相談ダイヤル  ☎050-3595-7831
●お問合せ  ☎050-3690-1135(みろくのいいさんご)
URL  http://mazenda.pw/